季節の健康ドクターズアドバイス 口の健康を支える口内ケア NTT東日本関東病院 歯科口腔外科 志村デンタルクリニック副院長 志村真理子先生 昭和大学歯学部卒業後、NTT東日本関東病院歯科口腔外科に勤務。ドライマウス外来を立ち上げる。その後、口腔ケア専門外来を開設。「女性医療ネットワーク」の発起人・理事を勤めるほか、セミナーやテレビ・ラジオにて活躍中。

食欲の秋を迎え、食事がいつも以上に楽しくなる季節になりました。そこで気をつけたいのが口内の健康。
毎日の歯磨きをはじめとした口内ケアは、さまざまな口内トラブルを予防するだけでなく、全身の健康を守ることにもつながります。
いつまでも美味しい食事を楽しむため、元気な体でいるために、一歩踏み込んだ口内ケアを習慣づけましょう。

まずは知っておきたいトラブルを防ぐ唾液の力

イメージ  私たちの口の中には常に唾液があり、うるおった状態にあります。
実はこの唾液が、口内の細菌を洗い流したり、虫歯や口臭を予防する
などの役割を果たしているのです。しかし、ストレスやホルモンバラ
ンスの変化の影響で、年齢を重ねると唾液の量は減りやすく、そのま
ま放っておくと歯周病などのさまざまな口内トラブルを招く原因に。
この状態を「ドライマウス」といい、日頃からのトレーニングで唾液
を出しやすくしておくことが大切です。

日常生活の中で噛むトレーニング

 口内の健康を維持するためには、まず、よく噛んで食べることが重要。噛むことで唾液腺が刺激され、唾液の量がアップ。シュガーレスガムを噛むのも効果的です。
また、口内マッサージを取り入れるのもおすすめ。上下表裏の歯ぐき、頬の裏を舌の先で押すようにマッサージしましょう。
ストレスで緊張が高まると唾液が減ってしまうことから、入浴中などのリラックスタイムにマッサージを行うと、より高い効果が得られます。

アイテムを活用して一歩踏み込んだ口内ケア

 歯のすき間には、加齢とともに食べかすが残りやすく、歯ブラシだけでは汚れを落としきれないことも。
そこで、歯磨きとあわせて歯間ブラシを活用しましょう。ただし、サイズが合わないと、歯ぐきを傷つけたり、きちんと汚れが落ちない可能性もあるので、自分の歯にあったものを選びましょう。
また、鏡で舌を見てみると、表面に白っぽい汚れが付いていませんか?この正体は舌苔といい、細菌や食べかすなどのアカ。歯を磨くときに、舌ブラシで軽くこすって掃除しておくと、口臭などの予防につながります。ただし、無理にこすりすぎると舌を傷つけてしまう恐れがあるので注意しましょう。

あなたは大丈夫?ドライマウスチェック ・口の中が乾く、ネバネバする ・食べにくい、飲み込みにくい ・夜間に起きて水を飲む ・口臭がきつい ・味覚がおかしい ・しゃべりにくい ・口内炎ができやすい ・口の中がヒリヒリする ←ひとつでもあてはまる方は、唾液の量が低下している「ドライマウス」かもしれません。専門外来の受診をお勧めします。ご家庭でのケアとあわせて定期的な歯科検診も大切です。

こころの健康 「心の疲れ」には、良質な食事を! 心(=脳)は体の一部。心身の疲れを癒すためには栄養バランスのとれた食生活が大切です。 精神科医 メディカル&ライフサポートコーチ 研究会代表 奥田弘美先生 わかりやすく実践的な心のケア法を執筆や講演にて提案。近著には『心を元気にする処方せん』(保健同人社)、『自分の体のお世話をしよう〜子供と育てるセルフケアの心〜』(ぎょうせい)など

心(=脳)は体の一部。心身の疲れを癒すためには栄養バランスのとれた食生活が大切です

【心身の疲労回復に必要な、食べ物と目安量】1日に最低でも自分の手のひらサイズ約3〜4つ分のたんぱく質食品をとるようにしましょう。 【たんぱく質例】赤身肉、納豆、魚、卵 「朝、体も心もけだるい・・・」「何だかやる気が起こらない・・・」。そんな心身の疲れに悩まされていませんか?
もしこのような症状が現れたときには、毎日の食生活を一度見直してみましょう。植物に水が必要なように、人間にもきちんとした栄養が必要です。それができていないと脳まで栄養が行き渡らず、憂うつ気分が湧き出すのも当然のこと。では、体と心を癒すためには、何をどのくらい食べれば良いのでしょうか?
これらを緑黄色野菜や海藻とともにたっぷり摂りましょう。人間に一番必要なのは、良質なたんぱく質、ビタミン、ミネラル類。そしてこのたんぱく質の中に多量に含まれるアミノ酸こそが人間の体を作っている重要な栄養源なのです。
こうした食事を心がけていれば、アミノ酸の補給によって体と脳が癒され、心も元気を取り戻しやすくなっていくはずです。

からだの健康 「瞑想」で一日をリセット。 一日の終わりに「瞑想」を取り入れて心と体を浄化させましょう。 メンタルケアスペシャリスト パーソナルトレーナー 峯岸道子さん ヨガスタジオ「Body&Mind Yoga」を主催する、人気のヨガ指導者。エクササイズとして効果的なスタイルのヨガも開発し指導と普及に努めている。

楽な座り方でリラックスしましょう! 積極的に体を動かしたり、ストレスを上手に発散しているつもりでも「何だかすっきりしない・・・」ということはありませんか?
それは、心の中で一日をきちんとリセットできていないからかもしれません。その日のことはその日のうちにリセットしておかないと、そのモヤモヤは少しずつ蓄積され、やがて心が重たくなってしまうことも。そうならないために、瞑想で一日の気持ちをクリアにさせておきましょう。
まずは落ち着いて座ることから 床でもイスでも、あなたの楽な座り方で構いません。気持ちをゆるめるために、電気を消したり音楽やアロマなどを使ってもOK。呼吸を整え、体の力を抜いてリラックス。 目を閉じ、いいイメージを追っていく 徐々に心臓の動きがゆるやかになってきらた、イメージしてみてください。例えば、好きな場所でくつろいでいる自分、なりたい自分、気持ちのいい絵をどんどん思い浮かべて。そのうちに自然と自分の頭の中のイメージだけに集中できて、なんだか幸せな、落ち着いた気持ちになってきませんか?最初はうまくいかなくても大丈夫。少しずつ続けて、一番リラックスできる瞑想法を見つけていきましょう。