Vol14 スポーツの秋 景色を楽しみながら健康ウォーキング いろいろな風景を描いてみたいな。

昔に比べ現代人は
歩かなくなった?

 徒歩以外、馬や駕籠ぐらいしか交通手段がなかった江戸時代の人々は、1日1万歩以上は簡単に歩いていたといわれます。一方、車や電車などが発達した現代社会に生きる私たちの1日の平均歩数は、男性が約7300歩、女性はさらに少なく約6300歩にすぎません(厚生労働省「2007年国民健康・栄養調査」)。現代人の運動不足の第一の理由は、“歩かなくなったため”といっても過言ではないでしょう。
 足は心臓から最も遠いところにあるため、心臓のポンプだけで足に運ばれた血液を心臓まで戻すのは困難です。それを助けるのが“歩く”という行為(ウォーキング)。歩くことで足の筋肉が収縮・弛緩を繰り返し、足の静脈の血液の流れを促進します。足が第二の心臓と呼ばれるゆえんです。そのほか、脂肪を燃やして肥満解消に役立つ、骨密度の低下を防ぐ、脳を刺激して活性化させるなどウォーキングにはさまざまな効果があります。

ウォーキングは手軽に
できる有酸素運動

 ウォーキングは体の中に酸素を取り込みながら行う有酸素運動の代表格。いつでもどこでも気軽にでき、しかも体への負担も少ないので幅広い年齢の方におすすめです。
 ただし、のんびり歩いていてはあまり効果がありません。また、悪い歩き方をすると余計に足や腰などを痛めることに。正しいフォームで、さっそうと歩きましょう。
  • 正しいウォーキングフォーム 頭:常に体の中心にくるように気をつけると、体が前後左右に摂れなくなります。 目:下を向くと前かがみの姿勢になりがち。少し前方を見るように背筋を伸ばしましょう。 肩:力を入れずにリラックス。腕の振りに合わせて肩まで回らないようにします。 ひじ:軽く曲げて歩くリズムに合わせて振ると、疲れにくくなります。 腰:反らしすぎたり、曲げたりせずにまっすぐにしましょう。腰から進むように意識を。 足:ひざを伸ばして大きく前に出し、かかとから着地。銃身を前に移動させてつま先で蹴り出します。

爽やかな気候の秋は
どんどん歩いて健康に

 ウォーキングの効果は長く続けてこそ現れます。それにはまず、エレベーターやエスカレーターに乗らずに階段を使う、近い距離ならバスや車などに乗らずに歩くといったように、日常生活の中にウォーキングを上手に組み込むとよいでしょう。これだけでもずいぶん歩数をアップさせることができます。
 最近はゲーム要素のある歩数計がたくさん出ているので、それらを活用するのも手です。暑すぎず、寒すぎずの今の季節は散策するのにぴったり。民家や道端の草花、公園の紅葉を眺めながら歩けば秋を満喫できることでしょう。また、好きな作家のゆかりある場所を訪ねたり、史跡を巡ったりとテーマを持って歩けばちょっとした旅気分も味わえます。カメラやスケッチブックを持って歩き、あとで「散歩日記」をつけてみるのもよいかもしれません。
 友達に声をかけてウォーキング仲間をつくるのも継続するコツのひとつ。しゃべりながら歩けばストレス解消にもつながるに違いありません。
 さあ、今日から歩く機会を大いに増やして、健康ウォーキングを楽しみましょう。
  • 歩き終わった後の足と体のメンテナンス法 ツボ押し:足の裏はツボの宝庫。20ものツボがあります。手のひらや指を使って裏全体を押したり、もみほぐして刺激します。 むくみの解消:熱めの湯に10〜15分ほど浸けるだけでもよいですが、冷水に30〜60秒、熱い湯に30〜60秒と交互に行うとより効果的。 もも、背筋のストレッチ:正座をしたら両手を体の後ろについて、頭をゆっくり後ろに曲げ、背筋を伸ばします。 マッサージ:ふくらはぎには下腿三頭筋とアキレス腱があります。両手でふくらはぎを下から上に数回、次に同じく上から下に数回もみましょう。 まめの治療:火で熱消毒した針をまめに刺し、めん棒などで水気を完全に拭きます。そのあとバンソウコウを貼っておきましょう。※針でけがをしないよう、十分に気をつけましょう。 足のストレッチ:座って両足をまっすぐ伸ばし、つま先を床と直角に立てます。上体をゆっくり前に倒します。このとき、ひざをなるべく曲げないように。※ストレッチは少し痛い程度までに抑えて行いましょう。無理は禁物です。